MENU

歯科医院を居抜きで開業する際のメリットとデメリット

歯科医院を居抜きで開業する際のメリットとデメリット

歯科医院の開業を考えている方、「居抜き物件」という言葉を聞いたことはありますか? 初期費用を抑えられると聞いて興味はあるものの、本当に大丈夫なのか不安に思っていませんか?

居抜き物件での歯科医院開業には、メリットもデメリットもあります。前の医院の設備をそのまま使えるので費用を抑えられる一方で、自分の理想とは違う環境で始めることになるかもしれません。

でも、心配しないでください。この記事を読めば、居抜き物件での歯科医院開業のすべてがわかります。メリット、デメリット、そして成功のポイントまで、詳しく解説していきます。

あなたの夢の歯科医院開業、その第一歩をこの記事から踏み出してみませんか?

>>歯科医院の開業失敗は多い?

目次

歯科医院の居抜き物件とは

歯科医院の居抜き物件とは、前の歯科医院が使用していた内装や医療設備をそのまま引き継いで開業できる物件のことです。一般的に、飲食店や旅館などの営業用設備が残された状態で賃貸される物件を指す「居抜き」という言葉が、歯科医院の開業においても使われるようになりました。

歯科医院の居抜き物件では、診療チェアやレントゲン装置などの高額な医療機器がすでに設置されているのが特徴です。これにより、新規開業の際に必要な初期費用を大幅に抑えることができます。また、前の歯科医院のスタッフを再雇用したり、患者さんのカルテを引き継いだりすることも可能な場合があります。

居抜き物件での開業は、新規開業と継承開業の中間的な位置づけといえるでしょう。すべてをゼロから始める新規開業に比べて初期投資を抑えられる一方で、継承開業ほど患者さんやスタッフを引き継ぐことは難しい場合が多いです。しかし、立地や設備など、前の歯科医院の良い点を活かしながら、自分の理想の歯科医院を作り上げていくことができるのが魅力です。

歯科開業における物件の種類

歯科医院を開業する際、選択できる物件の種類はいくつかあります。それぞれの特徴を理解し、自分の目指す歯科医院像に合った物件を選ぶことが大切です。

テナント物件

テナント物件とは、商業施設やオフィスビルの一室を借りて開業するタイプの物件です。駅前や繁華街など、人通りの多い場所に位置することが多く、集患しやすいのが大きな特徴です。テナント物件は、歯科医院の内装や設備をゼロから構築できるため、理想の診療空間を作り上げやすいというメリットがあります。

一方で、初期費用が高くなりやすいのがデメリットです。内装工事や医療機器の購入など、すべてを新規で揃える必要があるため、開業資金の準備が重要になります。また、立地条件の良い物件ほど賃料が高くなる傾向があるので、長期的な経営計画を立てる際には慎重な検討が必要でしょう。

テナント物件は、自由度が高く、ブランディングしやすいという利点があります。しかし、初期投資と運営コストが高くなりやすいため、資金面での準備が十分にできている歯科医師に向いている選択肢といえるでしょう。

新築物件

新築物件は、土地を購入して歯科医院を一から建設する方法です。この選択肢は、最も自由度が高く、理想の歯科医院を実現できる可能性が高いでしょう。新築物件では、診療室のレイアウトから待合室の雰囲気まで、すべてを自分の思い通りにデザインできるのが最大の魅力です。

また、自宅と診療所を併設することも可能なため、通勤時間を削減できるというメリットもあります。さらに、土地と建物を所有することになるので、資産形成の観点からも有利な選択肢といえます。

しかし、新築物件にはデメリットもあります。まず、初期費用が非常に高額になることです。土地の購入費用に加え、建築費用、医療機器の購入費用など、総額で数億円規模の投資が必要になる場合もあります。また、立地によっては集患に苦労する可能性もあるため、周辺の人口動態や競合状況などを十分に調査する必要があります。

新築物件は、長期的な視点で歯科医院経営を考えている歯科医師や、特色ある診療スタイルを実現したい歯科医師にとって魅力的な選択肢です。ただし、資金面でのリスクが高いため、慎重な計画立案が求められます。

居抜き物件

居抜き物件は、前述の通り、前の歯科医院の設備や内装をそのまま引き継いで開業する方法です。この選択肢の最大のメリットは、初期費用を大幅に抑えられることです。高額な医療機器や内装設備が既に整っているため、新規開業に比べて投資額を抑えることができます。

また、前の歯科医院の患者さんを引き継ぐことができる可能性もあります。これにより、開業直後から一定の患者数を確保できる可能性が高くなります。さらに、前の歯科医院のスタッフを再雇用できれば、経験豊富な人材を確保でき、スムーズな診療開始が期待できます。

一方で、デメリットもあります。前の歯科医院の設備や内装をそのまま使用するため、自分の理想とする診療環境を完全に実現することは難しい場合があります。また、医療機器が古い場合は、近い将来に買い替えが必要になる可能性もあります。

居抜き物件は、開業資金に制約がある歯科医師や、早期に開業したい歯科医師にとって魅力的な選択肢です。ただし、物件選びの際は、前の歯科医院の評判や閉院理由、設備の状態などを慎重に確認する必要があるでしょう。税理士に相談し、財務面でのアドバイスを受けることも重要です。

歯科医院の居抜き開業のメリット‧デメリット

歯科医院の居抜き開業には、さまざまなメリットとデメリットがあります。これらを十分に理解し、自分の状況に合わせて判断することが重要です。

メリット①開業コストが抑えられる

居抜き開業の最大のメリットは、開業にかかるコストを大幅に抑えられることです。新規開業の場合、内装工事や高額な医療機器の購入など、多額の初期投資が必要になりますが、居抜き物件ではこれらの費用を大きく削減できます。

たとえば、歯科用ユニットやレントゲン装置など、高額な医療機器がすでに設置されているため、これらを新規購入する必要がありません。また、内装工事も最小限で済むため、工事期間も短縮でき、早期開業が可能になります。

さらに、開業資金を抑えられることで、借入金を少なくできるメリットもあります。これにより、開業後の経営の安定性が高まり、より柔軟な診療方針を立てることができるでしょう。

ただし、居抜き物件であっても、一定の改装費用や設備の更新費用は必要になる場合があります。また、前の歯科医院の医療機器や設備を引き継ぐ際の譲渡費用も発生するため、これらを含めた総合的な費用計算が重要です。

メリット②短期間で開業できる

居抜き開業のもう一つの大きなメリットは、短期間で開業できることです。新規開業の場合、物件探しから内装工事、医療機器の搬入まで、半年以上の準備期間が必要になることも珍しくありません。しかし、居抜き物件では、これらの工程の多くを省略できるため、開業までの期間を大幅に短縮できます。

具体的には、内装工事が最小限で済むため、工事期間を1〜2ヶ月程度に抑えることができます。また、医療機器の搬入や設置にかかる時間も節約できるでしょう。これにより、物件契約から開業までの期間を3〜4ヶ月程度に短縮できる可能性があります。

短期間で開業できることのメリットは、開業準備にかかる費用(家賃や人件費など)を抑えられることだけではありません。早期に診療を開始できることで、収益を上げるまでの期間を短縮でき、経営の安定化にもつながります。

さらに、開業のタイミングを柔軟に調整できるのも利点です。たとえば、歯科需要が高まる時期(年度初めや年末など)に合わせて開業することで、スムーズな立ち上がりが期待できます。

ただし、短期間での開業を急ぐあまり、十分な準備や検討を怠ってしまっては本末転倒です。開業までの期間が短いからこそ、事前の綿密な計画立案と準備が重要になることを忘れないでください。

メリット③早い段階で軌道に乗せられる

居抜き開業の三つ目のメリットは、早い段階で診療を軌道に乗せられる可能性が高いことです。これは、前の歯科医院の患者さんを引き継ぐことができる場合があるためです。新規開業の場合、ゼロからの患者獲得が必要ですが、居抜き開業では、ある程度の患者基盤を引き継げる可能性があります。

前の歯科医院の患者さんの中には、同じ場所に新しい歯科医院ができたことを知り、継続して通院してくれる方もいるでしょう。これにより、開業直後から一定の患者数を確保でき、安定した収入を得られる可能性が高まります。

また、前の歯科医院のスタッフを再雇用できる場合もあります。経験豊富なスタッフがいることで、スムーズな診療開始が可能になり、患者さんへの対応もスムーズに行えるでしょう。さらに、地域に馴染みのあるスタッフがいることで、地域住民からの信頼を得やすくなる可能性もあります。

加えて、前の歯科医院の診療データや運営ノウハウを活用できる場合もあります。これにより、地域の歯科ニーズや患者さんの特性を早期に把握でき、効果的な診療方針や経営戦略を立てやすくなります。

ただし、このメリットを最大限に活かすためには、前の歯科医院の評判や閉院理由を十分に調査し、改善すべき点があれば速やかに対応することが重要です。また、新しい歯科医院としての独自性を打ち出し、さらなる患者獲得にも努める必要があるでしょう。

メリット④将来予測と方針決定ができる

居抜き開業の四つ目のメリットは、将来の予測と方針決定がしやすいことです。前の歯科医院の運営データや経営実績を参考にすることで、より正確な将来予測と適切な方針決定が可能になります。

具体的には、前の歯科医院の患者数や売上データ、診療内容の傾向などを分析することで、地域の歯科ニーズや潜在的な患者層を把握しやすくなります。これにより、自院の強みを活かした診療方針や、効果的なマーケティング戦略を立てやすくなるでしょう。

また、前の歯科医院の経営状況を参考にすることで、収支予測もより正確に立てられます。これは、資金計画や設備投資の判断、スタッフの採用計画など、経営に関する重要な意思決定を行う際に大きな助けとなります。

さらに、前の歯科医院が抱えていた課題や改善点を把握できれば、それらを克服するための具体的な対策を事前に講じることができます。たとえば、特定の診療科目の需要が高かったにもかかわらず対応できていなかった場合、その分野に特化した設備投資や専門医の採用を検討するなど、戦略的な経営判断が可能になります。

ただし、前の歯科医院のデータや実績に頼りすぎないことも重要です。地域の環境や患者のニーズは時間とともに変化する可能性があるため、常に最新の情報収集と分析を行い、柔軟に方針を調整していく必要があるでしょう。

メリット⑤売却譲渡時の資産目減りが少ない

居抜き開業の五つ目のメリットは、将来的に歯科医院を売却や譲渡する際に、資産の目減りが少ないことです。居抜き物件での開業は、初期投資額が新規開業に比べて低いため、将来的な資産価値の減少も抑えられやすいのが特徴です。

具体的には、新規開業の場合、内装工事や高額な医療機器の購入などに多額の投資を行いますが、これらの資産は時間とともに減価償却していきます。一方、居抜き物件では、すでに使用されている設備や内装を引き継ぐため、初期投資額自体が低く抑えられます。そのため、将来的に歯科医院を売却や譲渡する際の資産価値の目減りも相対的に小さくなる傾向があります。

また、居抜き物件は、すでに歯科医院として機能していた実績があるため、将来的な売却や譲渡の際に、その価値を比較的維持しやすいという利点もあります。特に、立地条件の良い物件や、安定した患者基盤がある場合は、高い資産価値を保ちやすいでしょう。

さらに、居抜き物件での開業は、初期投資を抑えられることで、その分を運転資金や設備の更新、スタッフの教育などに投資できます。これにより、歯科医院の価値を高めていくことも可能になり、将来的な売却や譲渡の際により有利な条件で交渉できる可能性が高まります。

ただし、このメリットを最大限に活かすためには、日頃から設備のメンテナンスや更新を適切に行い、歯科医院の価値を維持・向上させていく努力が必要です。また、税理士などの専門家に相談し、資産管理や事業承継の観点からも適切なアドバイスを受けることが重要でしょう。

デメリット①自分好みにしづらい

居抜き開業のデメリットの一つ目は、歯科医院を自分の好みや理想通りにしづらい点です。前の歯科医院の内装や設備をそのまま引き継ぐため、自分が思い描いていた診療環境を完全に実現することが難しい場合があります。

具体的には、診療室のレイアウトや待合室の雰囲気、カラーリングなど、細かな部分まで自分の好みに合わせることが困難な場合があります。特に、前の歯科医院の診療スタイルや方針が自分のものと大きく異なる場合、その違和感を解消するのに時間と労力がかかる可能性があります。

また、医療機器についても、前の歯科医院が使用していたものをそのまま引き継ぐことになるため、最新の設備や自分が使い慣れた機器を導入できない場合もあるでしょう。これは、診療の効率や質に影響を与える可能性があります。

さらに、歯科医院の外観やサインなども、大幅な変更が難しい場合があります。特に、建物の構造上の制約や賃貸契約の条件によっては、外装の改修が制限される可能性もあります。これにより、自分のブランディングや診療方針を外観に反映させにくくなる可能性があります。

ただし、このデメリットは、居抜き物件選びの段階で十分な下見と検討を行うことで、ある程度軽減することができます。また、予算と相談しながら、部分的な改装や設備の入れ替えを行うことで、徐々に自分の理想に近づけていくことも可能です。重要なのは、物件選びの段階で、どの程度の改装や変更が可能かを確認し、自分の理想との折り合いをつけることです。

デメリット②工事や設備に追加費用が必要

居抜き開業の二つ目のデメリットは、予想外の工事や設備の更新に追加費用が必要になる可能性があることです。一見すると費用を抑えられるように見える居抜き物件でも、実際に使用を始めてみると、様々な修繕や更新が必要になることがあります。

たとえば、前の歯科医院が長期間使用していた設備は、外見上は問題なく見えても、内部の劣化が進んでいる場合があります。診療チェアやレントゲン装置などの高額医療機器が突然故障した場合、予想外の高額な修理費用や買い替え費用が発生する可能性があります。

また、内装についても、表面上は問題なく見えても、水回りや電気設備、空調システムなどに不具合がある場合があります。これらの問題は、実際に使用を始めてから発覚することも多く、急な修繕工事が必要になる可能性があります。

さらに、医療法の改正や最新の感染対策に対応するために、追加の設備投資が必要になることもあります。たとえば、滅菌器や空気清浄機の更新、バリアフリー化のための改修など、法令遵守や患者サービス向上のための投資が求められる場合があります。

これらの追加費用は、当初の計画にない支出となるため、資金計画に大きな影響を与える可能性があります。特に、開業直後は収入が安定していない時期であるため、予想外の支出は経営を圧迫する要因となりかねません。

このデメリットを最小限に抑えるためには、物件選びの段階で専門家による詳細な診断を受けることが重要です。また、ある程度の予備費を見込んだ資金計画を立てることで、突発的な支出にも対応できるようになるでしょう。さらに、設備のリース契約の活用など、初期投資を抑えつつ最新設備を導入する方法も検討する価値があります。

デメリット③前歯科医院の評判に影響を受ける

居抜き開業の三つ目のデメリットは、前の歯科医院の評判に影響を受けやすいということです。同じ場所で開業するため、地域住民の目には「前の歯科医院の後継」と映りやすく、前の歯科医院の評判が新しい歯科医院にも引き継がれてしまう可能性があります。

もし前の歯科医院が地域で良い評判を得ていた場合、それは新しい歯科医院にとってプラスに働くかもしれません。しかし、逆に評判が悪かった場合、その負のイメージを払拭するのに時間と労力がかかる可能性があります。たとえば、「痛みを伴う治療が多い」「待ち時間が長い」「スタッフの対応が悪い」といった評判があった場合、それらのイメージを覆すのは容易ではありません。

また、前の歯科医院で何らかのトラブルや不満を抱えていた患者さんがいた場合、その感情が新しい歯科医院にも向けられる可能性があります。特に、治療の途中で歯科医院が変わってしまった場合、患者さんの不安や不満は大きくなりがちです。

さらに、前の歯科医院の診療方針や特色が地域に定着していた場合、それとは異なるアプローチを取ろうとすると、患者さんの戸惑いや抵抗を招く可能性もあります。たとえば、前の歯科医院が保険診療中心だったのに対し、自費診療を積極的に取り入れようとする場合などは、患者さんの理解を得るのに時間がかかるかもしれません。

このデメリットを克服するためには、開業前の段階から地域住民への丁寧な説明と新しい歯科医院の魅力をアピールすることが重要です。また、前の歯科医院の良い点は引き継ぎつつ、新しい価値を付加していくことで、徐々に自分たちの歯科医院としての評判を築いていく必要があります。患者さん一人ひとりとの信頼関係を丁寧に築いていくことで、時間はかかるかもしれませんが、確実に自分たちの評判を確立していくことができるでしょう。

>>歯医者が潰れる前兆とは?

歯科医院の居抜き物件開業のまとめ

歯科医院の居抜き物件での開業は、初期費用を抑えられることや短期間で開業できるなど、多くのメリットがあります。一方で、自分の理想通りの医院にしづらいことや、前の医院の評判に影響を受けるなどのデメリットもあります。

大切なのは、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自分の状況に合わせて判断することです。物件選びの際は、立地条件や設備の状態、前の医院の評判などをしっかりと確認しましょう。

また、開業後も継続的な改善と患者さんとの信頼関係構築に努めることが重要です。居抜き物件での開業は、新規開業と継承開業の中間的な選択肢として、多くの歯科医師にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

項目 メリット デメリット
コスト 初期費用を抑えられる 追加の工事や設備費用が必要な場合がある
開業期間 短期間で開業できる
診療環境 既存の設備をそのまま使える 自分好みにしづらい
患者基盤 前の医院の患者を引き継げる可能性がある 前の医院の評判に影響を受ける
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次